【英語】関係代名詞を用いた和文英訳問題から臨む、翻訳課題のポイント

朝からキムチ炒めを作り、アジア料理Loveの精神を育んでまいりましたソルジャー・イサヲです。

 
 
 
 
 

東京都品川区某ラウンジにて英語と数学を私から学んでいる神奈川県屈指の名門中学通いのR君から近日、「関係代名詞絡みの和文英訳がどうしても不慣れで・・・」というリクエストをいただきました。

 

「学校指定の教材を自分で解いて、解答を見て覚えるくらいなら一人でも出来るけれど、もっと俯瞰した理解をしたい!10歳近く離れたこの人(←筆者)だと、どういうメカニズムで解答するんだ?」というたくましい知的好奇心を持つR君ですから、こちらも負けてはいられません。

いただいた個別問題の解答のみならず、関係代名詞を用いた和文英訳で一般的に押さえて欲しいポイントにまで抽象度を落として説明を試みました。

 

恐縮ながらブログにて(少しばかりにはなりますが)ご共有いたします!

 

【そもそも関係代名詞とは?】

勉強熱心な中高生の学生さん、もしくはご両親の方々には釈迦に説法かもしれませんが、押さえておきたいところです。

というのも、「あ、これは関係代名詞のthatだな」とか、「the thing whichじゃなくてwhatだ」と気にしてネイティブが話しているケースはほとんど稀でしょう。

関係代名詞という概念そのものが、(言語学の世界を除くと)非ネイティブへの英語教育という趣旨から生まれたものだと考えられるわけであり、その定義・捉え方については学習者個々人が最も腹落ちする、納得のいくものであれば画一的なものである必要はないと筆者は考えます。

 

つまり、「あ、ソルジャー・イサヲが言うところの関係代名詞は腑に落ちないなー」、「私はどちらかというと違う捉え方をしたいなぁ」というのもOK!というオープンな姿勢で読んでいただけたら嬉しいです。

 

さて、本題の関係代名詞とは?

 

ずばり、「情報の効率化」にあると筆者は考えます。

 

① This is a teacher. こちらは先生です。

② And he teaches us English. この先生は私達に英語を教えてくださいます。

「意味は分かるけれど、この2つの文章には ”a (the) teacher” が重複ているし、もっとコンパクト(文章の本数、単語数を減らして)描写出来ないかなぁ。」という着想の下、”teacher = who” という置き換えを行おうというものです。

 

This is a teacher who teaches us English.

 

この説明だけでは「情報の効率化」の意義も深くは伝えきれていないかもしれませんが、学会論文のような桁違いの難易度と複雑さを持つ文章であればどうでしょうか。制限時間が設けられたプレゼンテーションで、繰り返し情報を伝える余裕がない場合はどうでしょうか。同じ内容をより少ないデータで伝達することの価値も大きくなるはずです。

 

つまり、和文英訳する時も「どの情報(単語・文章)を効率的にしたいのか?」という目線を持っていただくと良いでしょう。

 

【関係代名詞の和文英訳のコツ】

課題和文:私が昨日ランチした教授に志望動機を書いたメールを送るだけで良いよ。

 

教授が募集している留学プログラムに応募したいのだけれども、履歴書を提出すればよいのか、教授の研究室を訪問しなければいけないのか、他の窓口があるのか、分からないという文脈で友人に訪ねた。すると、その友人は教授と親しい間柄であった。そんなコンテクストでしょうか。

 

和文英訳ですが筆者は下記プロセスを常に推奨しています。

 

① 細かい情報を省略して大まかな構造を見抜く。

和文を(意味はそのまま維持しながら)英訳しやすい形に読み替えて書き直す。

③ 実際に英訳する。

 

それでは、やってみましょう!

 

① 構造化

「私が昨日ランチした教授」というのが複雑ですから仮に「A = 私が昨日ランチした教授」と置きます。

同様に「B = 志望動機を書いたメールを送る」と置きます。

すると、課題和文は「AにBするだけで良いよ」というシンプルな形となります。

 

② 英訳しやすい形に読み替え

このまま「AにBするだけで良いよ」を翻訳すると、”Doing B to A is fine.” とか ”If you do B, it is okay.” といったぎこちない訳となってしまうおそれがあります。

そこで、していただきたいのが逐語訳(日本語をそのまま英語に置き換える)しやすい文章に日本語を書き換えてしまおうということです。

「~すれば良い」というのは「~さえしてくれれば、他は実際のところどうでも構わない」、「一番重要なのは~することである」という意味ですから、英語らしく主語を補って、以下のように書き換えます。

「あなたがしなければいけないこと全てはAにBすることである。」

 

③英文に訳す。

「あなたがしなければいけないこと全てはAにBすることである。」これを2段階に分けて単純化しましょう。

 

和文i. あなたはBにAしなければいけない。

和文ii. それが全てである。

 

英訳しますと・・・

 

文i. You have to do B to A.

文ii. That is all.

 

この場合、「(The thing that) you have to do = all」ですから関係代名詞 "All (the thing that)" で置き換えます。

 

All you have to do is to do B to A. ← “All one have to do is to 動詞” という慣用句として覚えられますね。

 

「A = 私が昨日ランチした教授」についても同様に、

I had lunch with the professor yesterday.

All you have to do is to do B to the professor.

 

となりますので、「the professor = who」として関係代名詞を用いて繋げます。

 

All you have to do is to do B to the professor who I had lunch with yesterday.

 

最後に「B = 志望動機を書いたメールを送る」は “to send an e-mail with personal statement” と訳して・・・

 

All you have to do is to send an e-mail to the professor I had lunch with yesterday.

完成です!

 

次回英文和訳のブログを更新する際は、「和文を(意味はそのまま維持しながら)英訳しやすい形に読み替えて書き直す。」のところを掘り下げてみようかと思います!

ありがとうございました!!

【英語・国際】 ハント外務・英連邦大臣の動きから見るイラン情勢とその向こう側

【今日の一文】

原文:There is still some closing, but small window to keep the deal alive.(1)

 
 
 
 

日本語訳:(イランとの交渉に関しては、)やはり終結してしまうこともあった。しかしながら、我々連合国との間に横たわる核開発問題に関する交渉を継続するための「小さな窓」があるのも事実だ。

 

・still:「今もなお」、「依然として」といった過去からの継続のニュアンスを帯びる副詞ですが、訳出が難しいですね。この場合は、継続というよりも「案の定」、「予想されていた通り」、「(記者の・世界中の)皆さんがご察しの通り」といった話者と聞き手の間の情報の一致ということで訳出してみました。安全保障に直結する重要テーマに関するイランとの対話が決して容易なものではないという一般論やここ数か月の(特に対米関係で顕著なところの)交渉の難しさを反映しているのではないでしょうか。

 

・closing:何がcloseしたの?という疑問が飛びますが、恐らく一般論としての「終焉・終結」ではなく、直後に来る”deal”に掛かるからこそ、何がcloseなのか明示的な言及がないと考えられます。国家間交渉が毎度毎度は上手くいかず、期待する通りには行かないケースもあったということです。(2)

 

・to keep the deal alive:文法的には動詞keepの不定詞の形容詞用法で、small windowを修飾します。(A) small window keeps the deal alive. というSVOCの文型を見抜きましょう。dealというのはビジネスにおける取引に使われることが多いですが、この場合は国家の要人の発言ですから、deal with Iranということで「国家間交渉」という認識で間違いないでしょう。

 

【概要】

イギリスの外務・連邦大臣であるJeremy Hunt氏が取り上げられたロイター通信の記事です。アメリカ・イギリスを中心とする連合国とイランとの間で高まる緊張を緩和するべく、イギリスはアメリカとは強調しつつも独自の戦略を有すると主張します。完全な破棄が危惧されるところのイラン核合意(3)の維持や、イランとの友好関係に基づく核問題へのアプローチに向け意欲的な姿勢を示した。

 

【考察】

A. 連合国とイランとの緩衝国という以上のイギリスの地位の暗示

国際社会の安定と平和に向け世界一の軍事大国アメリカと二人三脚でリーダーシップを発揮するイギリスであるが、イランに対してはその石油資源に対する利権維持のためには軍事的手段さえ辞さない姿勢を名言した過去を持つ。(4)1953年イランでのクーデターの際にはアメリカとの緊密な連携下での対イラン政策を疑われたイギリスであるが、今回はfriends sometimes disagreeとアメリカとの方針の違いを公式な場で述べた。中東問題の中でもイランに関して歴史的なプレゼンスを固持しようとするイギリスの主張という解釈は短絡的であると筆者は考える。つまり、世界の警察という立場から”America First!”の掛け声とともに方針転換を図るアメリカの安全保障体制の転換との関係性を読み解きたい。今月上旬のイランの石油タンカー拿捕というリスクをも負った措置に踏み切ったイギリスの相対的なプレゼンスの向上は必然ではなかろうか。(5)

 

B. ハント大臣の頭角

当記事の的であるハント大臣が と取り上げられている点が大変興味深い。世界的なメディアとしての地位を確立するロイター通信がはっきりと述べるからには同氏の今後のイギリス国内での重要な役回りが裏付けられていると筆者は愚考する。ドイツ系メディアが「対話の準備がある」と強調するところのイラン指導者ロウハーニー大統領やザリーフ外相と対峙する連合国側の番頭格としての役割はもちろん(6)、中国出身の妻を持つというステータス上の強みからも将来的な列強との国家間交渉で期待される成果が大きいのではないであろうか。

 

C. 今週ビッグイベントが予測される!?イラン情勢

核問題に最前線で立ち向かう経験を誇るイラン外相ザリーフ氏はアメリカで学問を修めたほか、国連でも人権・軍縮分野におけるエキスパートとして研究・調査に勤しんだ過去を持つ外交・国際問題のプロ。軍事的衝突を回避することが出来るかどうかが、国内外からの注目の対象となる中、国際戦略と情報リテラシーの専門家であり筆者も直接の指導を受けるところの原田武夫先生が指摘するところによれば、2019年7月18日に迫るマーケットの潮目を誘発する要因として使われる一番可能性が検討されているのがイラン開戦リスクである(7)。今後も公開情報をきちんと追ってゆきたい。

 

【引用・関連記事】

(1) Reuters, “Hunt says ‘small window’ to save Iran nuclear deal”, July 15, 2019 / 5:12 PM https://uk.reuters.com/article/uk-mideast-iran-eu-britain/hunt-says-small-window-to-save-iran-nuclear-deal-idUKKCN1UA0PQ (accessed July 15).

(2) TRT, 「イラン外務省がアメリカとの交渉開始報道を否定」, 2019年7月15日, https://www.trt.net.tr/japanese/shi-jie/2019/07/15/iranwai-wu-sheng-gaamerikatonojiao-she-kai-shi-bao-dao-wofou-ding-1235614.

(3) イラン核合意, https://kotobank.jp/word/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E6%A0%B8%E5%90%88%E6%84%8F-1822992 (2015年7月に国連安全保障理事会常任理事国6か国とイランとの間で結ばれた合意。イランの核兵器開発(濃縮ウランや遠心分離機等)を大幅に制限するものであり、国際的な核兵器制限・禁止に向けた平和的アプローチとして評価されたものの、2018年5月トランプ大統領が(弾道ミサイルに関する制限や兵器削減の期限がないことを事由として)合意から撤退すると事態は急激に悪化した。)

(4) Abadan Crisis from 1951 to 1954.

(5) The Guardian, “Failure of Iran deal could pose ‘existential threat’, says Hunt”, July 15, 2019, https://www.theguardian.com/world/2019/jul/14/failure-of-iran-deal-could-pose-existential-threat-says-hunt (ガーディアンからも同トピックに関する記事が出ているが、アメリカ勢との方針の違いへの明示的言及ではなく、イラン情勢の緊張の度合いの高さとイラン外相Zarifでさえも拿捕されたイラン船の解放に関しては悲観的な見解を持っているということに注目した報道をしている。)

(6) Deutsche Welle, “Rohani betont Willlen zum Dilog”, July 14, 2019, https://www.dw.com/de/rohani-betont-willen-zum-dialog/a-49589789-0 (2014年キャメロン前首相がロウハーニー大統領と会談して以来、友好関係が続いていたイランとイギリスであるが、メイ現首相による強硬体制のもと緊張再度高まっている。).

(7) 『再論「7月18日に何が起きるのか?」その時、マーケットは?米朝同盟成立という悪夢(原田武夫の道中辻斬りVol. 62)』, 2019年7月2日, https://www.youtube.com/watch?v=FItFECWyuwI.

【英語】canとbe able toの違い:演繹的分析から帰納的分析への転換

おはようございます!

マインドアクスルのソルジャー・イサヲです!!

 

昨日のブログお休みについてですが、ソルジャー・イサヲは不思議なご縁のめぐり合わせでこの年になって一人山形のマツキドライビングスクールにて免許合宿の受入れをしていただいております。

到着の瞬間からスタッフの方々が私に気を遣って標準語を話してくださるのが嬉しくも複雑な気持ちがいたしました。

が、負けず嫌いの筆者ですので一度は方言で遠慮なく話していただけないかと思い、宿舎のおじ様に『電撃東京土産謹呈作戦決行致しました。

 
 
 
 

すると、驚かれた様子で、(少しばかりなのかもしれませんが)山形弁⁉なるものを強めに話していただけたように思います。

バックでの駐車スペースへのinが課題の筆者ですが、本日からも励んでまいりたいと思います。

 

さて、本日のテーマはcanとbe able toの違いを見ていきたいと思います。

どちらも「~をすることが出来る」、「~することが可能だ」と訳すことが出来るケースが多いため英語学習者の混乱を招くというのは日本語を母語とする筆者も中学生の頃から体感しているわけでありますが、一方でこの悩みは日本人に特別なものなのかと愚考しておりました。

 

しかし、複数のネット記事を見ていると英語を少なくともある程度(1)マスターした外国人にも同様の課題は存在するようです。

では、早速見ていきましょう!

 

【ネット記事から見られる分類】

*読むのが、疲れた人は飛ばして【演繹から帰納へ】に進んでください。

複数のネット記事等も参照の上まとめさせていただくと、下記がcanとbe able toの相違点を見抜くためのポイントとなるようですね。

 

① 意味上の内包関係

筆者の生徒でもある某名門中学通いのR君が指摘してくれましたが、一般的に「能力・許可・依頼」と言った3つの質的に異なる用法があるcanに対し、be able toは「能力」の意味でしか用いられないという点は理解しやすいでしょう。

 

Can I finish my homework after lunch?

(子供がお母さんに)お昼ご飯を食べてから宿題を済ませても良い?

 

これを

Am I able to finish my homework after lunch?

とは言わないというのです。自分自身の力で出来るかどうかは、本人(子供)が一番自覚するわけであるから、他人(母親)の判断・指示を仰ぐのはおかしい。

 

同様に

Can you give me a call when you are ready?

準備が出来たら、一本電話をよこしてくれるかい?

 

こちらに対しても

Are you able to give me a call when you are ready?

というのも不自然でしょう。電話を掛けるという能力に関しては聞き手に確信がある前提で、あえてその手間を取ってくれるかという親切心を問う質問ですから、ここでbe able toを使うと、

「君はいつも僕に電話するのを忘れているけれど、今回はちゃんとやってくれるかな?」という苛立ちを暗示するニュアンスや、

「そもそも遠隔であっても、私に電話するための携帯電話、スマホは持っているか?充電はされているか?」といった相手の通信状態について不安がある場合を筆者はイメージします。

 

つまり、canの方がbe able toでは表現出来ない領域(許可や依頼)を含んでいるわけですから、can > be able toという内包関係が成立するという捉え方です。

 

② 受動態の場合はcanだけ(2)

「主語A+他動詞能動態v+目的語B」を「主語B+他動詞受動態be v-ed+副詞節by A」とする文章では、be able toは使われないというものです。

 

〇 Payment can be done online. 決済はオンラインで済ませることが出来ます。

× Payment is able to be done online. 決済は、そのものに内在する能力により、オンラインで可能です。(←無理矢理訳したぎこちない和訳)

 

③ 主語が無生物の場合(3)

〇 Tokyo can host a large number of tourists in the Olympics. オリンピックの際には東京は多くの観光客を受け入れることが出来ます。

× Tokyo is able to host a large number of tourists in the Olympics.

 

④ 助詞が用いられる場合はbe able to

willやmust、have等、能力以外の意味を持つ助詞が文章で使われる際にはcanを用いると助詞が重複するためダメ(4)。

 

〇 My brother will be able to pass the exam so easily. このままいけば、うちの弟は試験に容易く合格するであろう。

× My brother will can pass the exam so easily. ←不自然というのではなく絶対的に間違いとなる。

 

⑤ 不定詞の直後はbe able to

to 不定詞の「不定詞」とは「助動詞」ではなく「本動詞」の不定詞である。

 

〇 I want to be able to sing as well as she does. 彼女と同じくらい歌が上手になりたいなぁ。

× I want to can sing as well as she does. ←不自然というのではなく絶対的に間違い

 

⑥ 特定の場面か一般的な能力か、そして過去の完了のニュアンス

be able toが一度限りのアクションを描写するのに対し、canはより一般的な能力・可能性を描写します。

また、過去形において、be able toはやっとのことで出来たといった完了の意味合いを帯びるのに対し、couldは可能性については肯定する一方で完了については否定的です。

(しかし、過去形についてはnot be able toもcould notもほぼ同値であると考えられます。)

 

I was able to reach the airport. (バスもタクシーも見つからなかったけれど)電車でやっとのことで空港に到着した。

I could reach the airport. (行こうと思えば)空港に行くことは出来た(が、面倒であったので、予定が変わったので結局行かなかった)。

 

⑦ 知覚動詞と親和性があるのはcanだけ

知覚動詞see, hear, feel, smell, taste等はbe able toを使いません。

 

〇 Can you hear the strange noise from the kitchen? キッチンから妙な音、聴こえるかい?

× Are you able to hear the strange noise from the kitchen? (補聴器等をつけて)聴こうと思えば、キッチンからの音を聴くことが出来るのか?(←不自然な表現)

 

【演繹から帰納へ】

いかがでしたでしょうか。「なるほど!」と感じられるものから、「合点がいまひとつ・・・」のものまで、様々でしょうか。

 

筆者はたくさんの視点から英文法を勉強出来て興味深いと感じられる反面、

このような列挙型のアプローチは英語初修者、canとbe able toを学びたての方にとっては分かりやすさに欠如すると考えます。

 

なぜなら、「今回は、知覚動詞だから・・・」、「時制は過去で、平叙文だから・・・」とシシステマティックに考えられるほど言語は単純明快ではないことも多いですし、英文法理解の途上にある方にとっては複雑怪奇にさえ感じられるのではないかと危惧します。

 

そこで、筆者が中学生当初より感じている視座をもとにcanとbe able toの区別に「1つの軸」をもたらしたいと思います。

 

それは、

 

ズバリ、「丁寧さ=意識の度合い」です。

 

「canよりbe able toの方が何となく丁寧に聴こえる。そもそも助動詞1単語ではなくて、be動詞、形容詞、前置詞と3単語も消費している。」というのはネット記事には取り上げられていないケースが多く、筆者の独断と偏見かと危惧していましたが、一部同様の見解を提示する記事も見付けました(5)。

 

しかし、この感覚は上記の【ネット記事から見られる分類】で紹介したものと重なる要素が多分にして含まれます。

 

①内包関係にしても、be able toが表す「可能」の意味の方が、主体の持つ控え目な印象を与えます。

②「丁寧さ=慎重な意識、意志の介在」と捉えると、受動態においては能動側に動詞が意味するところのアクションを遂行する意志・決定が完全に委ねられ、受動側には判断プロセスがありません。

③無生物には(個人を主体subject、環境・自然を客体objectと捉える西洋的な哲学においては特に)意志・意識が無いと捉えられますから、canしか使えません。

(④・⑤は文法上のテクニカルなものかと考えられますので割愛)

⑥特定の場面での能力に関しては、個別の状況に応じた能力発揮のための検討が介入します。また、完了と非完了では前者の方に「外界の障害等を乗り越え、能力を完全に発揮するという意味での丁寧さ」が見出せます。

⑦知覚は人間の持って生まれた五感が必要とされますが、「熱い」・「冷たい」の感じ方に精神の集中や何か深い検討をすることは不要です。

 

以上のように、canとbe able toは、主体(人間)の意識や思慮、そしてそれに基づき実際に行為を完遂する努力の有無を皆さんの脳の片隅において使い分けが出来るのではないかというのがソルジャー・イサヲなりの提言であります!

 

本日も長らくお付き合いいただき、ありがとうございました!

 

【関連記事・注・引用】

(1) https://blogs.transparent.com/english/cancould-vs-to-be-able-to/.

(2) (3) https://eikaiwa.dmm.com/blog/21710/.

(4) 助詞が重複することを嫌うのは英語の特徴であり、筆者が学習したドイツ語では複数の助詞が連なることは(フォーマルな文章では特に)頻繁に起こる。

(5) https://eitopi.com/can-beableto-tigai.